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商品ループ地域で連携

スーパーや飲食店で出る食品廃棄物を加工した肥料で農作物を生産し、再び同じ店で販売する「食品リサイクルループ」が広がりを見せている。
国から認定された県内事業は6件となり、食品の無駄をなくすすとともに、有機栽培による商品のブランド化へつながるとして期待される。

柏崎市の生ごみリサクル業「柏崎エコクリエイティブ」の工場には、市内外のスーパーや鮮魚店などから回収した食品廃棄物が毎日のように運び込まれる。同社は魚のアラを発酵させて有機肥料を製造。地元農家らがこの肥料を活用してコメや野菜を栽培し、廃棄物の排出元の店などで販売される。仁木賢社長(71)は「環境に優しく、食の安全安心にも貢献できる」と説明する。

こうしたリサイクルループは、食品関連会社、食品リサイクル業者、生産者が連携し、「生産-販売-廃棄-堆肥化-生産」の循環を繰り返す。
2007年度に農林水産省などが認定制度を導入し、全国で現在50件の事業が認められている。

県内では、08年にJA津南町やスーパーを展開する「原信」(本部・長岡市)などが取り組む事業が初めて認定を受けると、今年11月までに6件へ拡大。
うち3件に柏崎エコクリエイティブが参加している。

食品廃棄物の収集や運搬は自治体の許可が必要となるが、リサイクルループに認定されている事業者は、個別に許可を取る手続きを省けるため、広域での活動を展開しやすい。
食品関連会社は卸売業者を介さず、農家から品物を安く仕入れられる場合もあるほか、社会貢献活動をPRできる。

柏崎市の「アグリーホンマ」は、柏崎エコクリエイティブの有機肥料で栽培したコシヒカリを「雪ほたる」として販売し、消費者から好評を得ているという。
本間伸一代表(51)は「連携によって仲間が増えて販路を拡大できる」と言う。

柏崎エコクリエイティブを認定業者として、11月に新たに始まった事業は、中越地方のスーパ17店などが年間400トンの食品廃棄物を提供し、25農業者で年間約410トンの農産物の出荷を見込む大規模な計画だ。仁木社長は「地域で競合するスーパー同士が協力する意義深い取り組みで、循環型社会を広げるきっかけにしたい」と期待する。